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PAC-3による迎撃テスト

GBI イージス PAC3 THAAD

PAC-3システムははすでに完成したとして実戦段階にあり、ミサイル防衛庁の手を離れ、米陸軍の下に置かれている。ロッキード・マーチン社,レオセオン社とノースロップ・グラマン社が改良を重ねている。テスト場所は特記なき限りニューメキシコ州ホワイトサンズ試験場。標的は短距離弾道ミサイルと巡航ミサイルを模したものである。

PAAT: スカッド・ミサイルの特性を模したPAC-2
Hera/Juno: ミニットマンIIの第2・第3段の連結 テストでの射程〜145km
Storm II: ミニットマンIIの第2段       テストでの射程〜100km
TBM:戦術弾道ミサイル(射程300km以下)
MQM-107/BQM-74: 巡航ミサイルを模した無人飛行体
 ○:迎撃,−:自爆,×:失敗
日付 迎撃 標的 メモ
2016.09.21 ○○ TBM
TBM
陸軍のミサイル防衛テストの一環として実施された。ロッキード・マーチン社の2発のPAC-3ミサイルが標的を迎撃。
2016.07.08 ○○ MQM-107
BQM-74?
PDB-8 (Post-Deployment Build 8)に基づく最終テスト。レオセオン社のPAC-3 GEM-T(誘導強化型)が巡航ミサイルを模した標的を迎撃し、ロッキード・マーチン社のPAC-3 MSE(能力向上型)が航空機を迎撃した。レーダー機能を抑え、操作員の手によってそれぞれ2発目の発射は止められた。
2015.12.10 ○? Juno 米陸軍のミサイル防衛演習の一環として実施。ロッキード・マーチン社のPAC-3 MSE(能力向上型)を2発連射し、1発目が標的を迎撃。2発目についての報道はない。
2015.11.19 ○? PAAT 米陸軍のミサイル防衛演習の一環として実施。ロッキード・マーチン社のPAC-3が短距離弾道ミサイルを模した標的を迎撃。2発めについての報道はない。
2015.11.12 ○? MQM-107 米陸軍のミサイル防衛演習の一環としてノースロップ・グラマン社が実施。1基のパトリオット・レーダーと2基のセンチネンタル・レーダー、2基のPAC-3ランチャーを連結したシステムで低空飛行の巡航ミサイルを模した標的迎撃のテストに成功。2発目についての報道はない。
2013.08.15 ○ー TBM ロッキード・マーチン社の2発のPAC-3が標的の短距離弾道ミサイルに連射され、1発目が迎撃。2発目は計画通り自爆した。
2013.06.06 ○ー
TBM
BQM-74
ロッキード・マーチン社のPAC-3 MSE(能力向上型)を3発発射した。短距離弾道ミサイルには連射され、1発目が迎撃し、2発目は計画通り自爆した。3発目は巡航ミサイル標的を迎撃した。
2013.04.12 ○ー TBM ロッキード・マーチン社の2発のPAC-3が標的の短距離弾道ミサイルに連射され、1発目が迎撃。2発目は計画通り自爆した。今年後半に実施予定のPAC-3MSEのリスク低減を目的としたテスト。
2012.10.24 ○○ MQM-107
ARAV-B
米陸軍クワジェリン環礁レーガン・サイトで実施された、ほぼ同時に発射された3発の弾道ミサイルと2発の巡航ミサイルへの統合対処テスト。この中で、ロッキード・マーチン社のPAC-3は巡航ミサイルを模した標的と短距離弾道ミサイル迎撃した。
2012.09.12 ○ー Juno ロッキード・マーチン社の2発のPAC-3が標的の短距離弾道ミサイルに連射され、1発目が迎撃。2発目は計画通り自爆した。
2012.08.29 ×○
×
PAAT
PAAT
MQM-107
3つの標的(短距離弾道ミサイル×2と模擬巡航ミサイル)が発射され、ロッキード・マーチン社の2発のPAC-3が連射され、2番目の弾道ミサイルを迎撃した。他の標的は迎撃できなかったとみられる。
2012.04.25 MQM-107
?
ユタ州のテストサイトで実施された巡航ミサイルに対する統合テスト。ロッキード・マーチン社のPAC-3が模擬巡航ミサイルを迎撃した。
2012.03.29 TBM 短距離弾道ミサイルに2発のPAC-3が連射され、迎撃した。
2011.11.01 TBM 短距離弾道ミサイルに対して2発のPAC-3が連射された。1発目はコスト削減型で、標的を迎撃した。
2011.03.02 Juno ロッキード・マーチン社のPAC-3 MSE(能力向上型)の2回目の迎撃テスト。
2010.02.17 Juno ロッキード・マーチン社のPAC-3 MSE(能力向上型)の初めての迎撃テスト。
2009.09.16 ○? PAAT 日本の航空自衛隊との共同テスト。遠隔操作されたリモートランチ形態で空自のシステムから2発のPAC-3が連射され、1発は迎撃に成功したが、2発目についての情報はない。
2009.04.21 ○? 不明 簡易慣性計測装置誘導システムを備えたPAC-3の初めてのテスト。2つの発射台からそれぞれPAC-3が1つの標的めがけて発射された。1発は迎撃に成功したが、もう1発がどうなったか明らかになっていない。
2009.03.25 × Hera 1つの標的に対して1発のPAC-3でねらったが迎撃に失敗した。原因は確定していない。
2008.09.17 ○× PAAT 日本の航空自衛隊との共同テスト。空自のシステムから2発のPAC-3が連射された。1発目は命中したが、2発目は飛行中に故障した。しかし防衛省はテストは成功したと見ている。
2007.07.18 MQM-107 電子的な対抗手段を供えた標的を1発のコスト削減型PAC-3が迎撃。
2006.10.23 ○ー PAAT 1つの標的に対して2発のコスト削減型のPAC-3を発射。1発が迎撃し、もう1発は自爆。
2006.08.31 ○? PAAT 1つの標的に対して2発のPAC-3が連射され、迎撃した。このテストは前回のやり直し。2発目についての記述なし。
2005.11.11 ××
×
PAAT 1つの標的に対して2発のPAC-3を発射した。しかし射撃管制装置は「発射に失敗」という誤情報を受け、3発目のPAC-3を発射した。3発は別々の発射装置から発射されたが、どれも標的を迎撃できなかった。PAC-3と地上システムのソフトウエアの一部を更新。
2005.09.08 ○ー PAAT 1つの標的に対して2発のPAC-3が発射された。最初の1発が迎撃に成功し、計画どおり2番目は自爆した。PAC-3と地上システムのソフトウエアの一部を新しくして行った。
2004.11.18 ○ー
○ー
PAAT
Storm II
2つの標的に対して、4発のコスト削減型PAC-3を別々の発射台から連射した。残った2発のPAC-3は計画どおり自爆した。。
2004.09.02 ○ー
○ー
PAAT
MQM-107
性能改善とコスト削減されたPAC-3を使用。短距離ミサイルと巡航ミサイルへの対処の実証も目的。2つの標的に対して、4発のPAC-3を別々の発射台から連射した。余分のPAC-3は計画どおり自爆した。迎撃に至ったのか、単なる命中だけなのか報告がない。
2004.03.04 ○? PAAT 1つの標的に向けて2発のPAC-3が連射され、迎撃した。2発目についての記載なし。PAC-3のソフトとウエアと地上システムの改善の実証も目的。
2002.05.30 ○× Hera? クワジェリン環礁で実施。1つの標的に対して2発のPAC-3を連射。1発は標的を迎撃したが、もう1発は発射に失敗した。ミサイル防衛庁は02年9月からのPAC-3の初期生産を遅らすことにした。
2002.04.25 × Storm II
PAAT
Storm IIを狙った1発目のPAC-3は発射できなかった。2発目のPAC-3はPAATに命中したが撃破できなかった。
2002.03.21 ○× Hera 1つの標的を2発のPAC-3が狙った。1発目は標的を迎撃、2発目は電力ダウンで発射されなかった。
2002.02.16 × MQM-107 1発のPAC-3が標的に向けて発射されたが、地上のコンピュータのエラーで標的の正確な位置がPAC-3に伝わらず失敗した。

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